住友ゴムでは「Our Philosophy」のVision「多様な力をひとつに、共に成長し、変化をのりこえる会社になる。」を目指す姿に掲げ、DE&Iの推進に取り組んでいます。誰しもが公正に扱われ、互いが尊重し合い、多様な力を結集し新たな価値を創造する。そんな組織の姿を目指し、各種課題と向き合いながら施策検討、推進を行っていきます。
私たち住友ゴムグループは、 Our Philosophyを体現するために、全ての個人の多様性を尊重する取り組みを進めます。
多様な力をひとつにし、成長し続けることを経営の重点課題と位置づけ、以下の通り宣言します。
多様な属性や考え方を尊重し、全ての個人が能力を発揮できる職場を実現します。
住友ゴム工業株式会社
代表取締役社長 山本 悟
ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)という言葉は、いまや女性活躍だけにとどまらず、女性活躍はひとつの起点であり、そこから多様な人材が活躍できる土壌を作り、社員の成長と企業の成長をリンクさせていくことがゴールとされています。山本悟社長、其田真理社外取締役、アスリ・チョルパン社外監査役が当社のDE&Iのあり方と課題、取り組みを語りました。
2019年から人事総務本部内にD&Iプロジェクトを立ち上げ、部門横断的に社員の声を施策に反映しながら活動を広げてきました。また、D&Iへの取り組みをより強力に推進すべく、2022年4月人事部内に専任組織D&Iグループを設置。全社横断的にD&Iを推進する旗振り役として活動してきました。
2024年4月、D&Iグループは人事総務本部よりサステナビリティ経営推進本部管掌下に移管されました。また、組織名をD&IグループよりDE&Iグループに改め、サステナビリティ経営の一端を担う部門として住友ゴムグループにおけるDE&Iを推進していきます。
当社では、女性管理職比率、男性育休取得率をDE&I推進の重要な指標として位置付けています。目標値と現状値のギャップを明らかにし、各施策の立案・実施へとつなげています。女性管理職比率向上に向け、前述の施策に加え仕事と家庭の両立を支援する制度や福利厚生の充実、長時間労働を是正する働き方の見直しなど、多様な人が働きやすい職場づくりを進めています。男性育休取得推進もその一つとなる重要施策で、より一層の推進を目指し2024年には育児のための有給公休制度をトライアルスタートしました。誰が休んでも継続運営できる職場づくりが、生産性の高い強い組織をつくり、多様な人が活躍できる企業への成長を促すと考えています。
【参考】
正規従業員に占める女性従業員の比率 11%
(2023年12月末時点)
※ 会社独自の育児に関する休暇取得を含む数値
各種DE&Iに関する施策、取り組みが、徐々に外部からの評価につながっています。2023年度は「D&Iアワードベストワークプレイス賞」、兵庫県・神戸市合同の「ひょうご・こうべ女性活躍推進企業認定」に認定されました。また、性的マイノリティに対する企業の取り組みを評価するPRIDE指標にて2022年に続きGOLDを取得しました。各種評価を指標とし、さらなる施策の推進に取り組んで参ります。
2020年10月 | 「えるぼし認定(三つ星)」を取得 |
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2021年 3月 | 株式会社ダンロップゴルフクラブにて「くるみん認定」を取得 |
2022年11月 | LGBTQ+などのセクシュアル・マイノリティへの取り組みの評価指標「PRIDE指標2022」において「ゴールド認定」を取得 令和4年度「ひょうご仕事と生活のバランス企業表彰」を受賞 |
2023年 3月 | ひょうご・こうべ女性活躍推進企業認定(こうべミモザ)「ミモザ企業」を取得 |
当社では、女性が活躍できる組織は性別・属性を問わず多様な人材が活躍できる組織の起点と考え、女性活躍推進をDE&Iの起点として施策の検討・推進に取り組んでいます。女性管理職比率のように目に見える課題から、性別役割意識・ジェンダーバイアスなどの目に見えない課題まで、まだまだ多くの解決すべき課題があります。一つひとつに真摯に向き合い、女性だけでなく誰もが輝ける組織づくりに取り組みます。
当社では、女性が活躍できる組織は性別・属性を問わず多様な人材が活躍できる組織の起点と考え、女性活躍推進をDE&Iの起点として施策の検討・推進に取り組んでいます。女性管理職比率のように目に見える課題から、性別役割意識・ジェンダーバイアスなどの目に見えない課題まで、まだまだ多くの解決すべき課題があります。一つひとつに真摯に向き合い、女性だけでなく誰もが輝ける組織づくりに取り組みます。
「女性のキャリア形成機会・環境を整え、『輝きさん』を発掘し、さらなる輝きを引き出したい。女性の活躍を推進することが、多様な人材が活躍でき、より良い価値を社会へ提供する企業づくりにつながると信じている。」
DE&I推進に関し、経営層との勉強会や対話の場を積極的に設け、経営戦略にDE&Iをどう織り込み、活かしていくか議論を続けています。23年には社外取締役および社外監査役によるDE&I推進に関する講義とディスカッションの場を設定、2024年には社外講師を招いての勉強会を実施しました。経営層がDE&Iに関する情報を常にアップデートし、迅速かつ適切な経営判断に活かせるよう取り組んでおります。
管理職候補層の育成に加え、女性トップマネジメントを輩出するための取り組みも行っています。2023年は京都大学女性エグゼクティブ・リーダープログラムへ企業正会員として参画しました。複数の女性部長が経営に必要な知見を習得し、社外とのネットワーキングを進めています。
先輩社員がナナメの関係にあたる他部門の後輩社員のキャリアや日常的な相談を聞き内省を促す「メンター制度」を推進しています。メンターは社外のプロメンターをつけ育成することで、リーダー育成にもつながっています。
製造業である当社にとって、女性をはじめ多様な人材が働きやすい製造現場の環境整備は重要な課題です。2023年は各工場横断のプロジェクトチームが女子トイレやロッカーなど厚生設備の整備や現場作業負荷軽減などの職場改善に向けた課題解決を推進しました。
住友ゴム本社が拠点を置く神戸地区における女性活躍の機運を地域をあげて盛り上げたいと、同じく神戸地区を拠点とする製造業3社にて「技術系女性交流会」を実施いたしました。2023年の開催に続き2024年に開催した第2回交流会も盛況に終わり、今後も継続した3社での交流イベントを検討しています。DE&I推進を個社での活動に終わらせず、他企業との「共創」を通し、社会全体でのDE&I推進に貢献していきます。
住友ゴムでは男性の育児参画が女性活躍および多様な社員が働きやすい職場・風土づくりに重要な役割を果たすと考えています。男性の育休取得推進に取り組んでおり、2022年の社長以下役員と全管理職へ向けた企業倫理講演会を皮切りに、2023年には一般層へも男性育休とDE&I・生産性高い組織の関わりについての研修を展開し、理解促進・啓蒙を続けています。社長筆頭に、部下・自身のワーク・ライフ・バランスを実現するマネジメントが出来るボスとなるためにどう行動していくかをコミットする「イクボス」宣言を管理職が行いました。また、DE&I推進に積極的な「イクボス」を社内報で取り上げるなど、明るい風土醸成に取組んでいます。2024年は、社内制度利用も含んだ男性育休取得率100%を目指します。
一人ひとりが自分らしく安心して働ける組織・職場づくりはDE&Iの土台となります。
女性活躍推進に加え、多様な背景を持つ従業員が能力を発揮できる組織を目指し、各種施策に取り組んでいます。
自身のアンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)に気づくことは、DE&I推進の重要な要素となります。当社では全階層への継続的なアンコンシャスバイアス理解の教育実施と共に、全社アンケートで浸透度を確認する設問を設け、定量的に浸透度をモニタリングしています。2024年には製造現場の従業員へもアンコンシャスバイアス教育の展開を予定しており、多様性を受け入れ推進する土壌をより強固なものにしていきます。
LGBTQ+など性的マイノリティに対する理解促進・教育活動を継続して行い、理解者・支援者(Ally アライ)を増やす取り組みを推進しています。採用面接官に向けたトレーニングや、関係会社の人事総務担当者への教育等も実施しています。2023年にはLGBTQ+への理解を深めるための社内コミュニティが立ち上がり、誰もが自分らしくいられる職場づくりに取り組んでいます。
2020年 |
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2021年 |
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住友ゴムグループでは、さまざまな部門で障がいのある方が活躍しています。関係機関と連携しながら積極的に採用活動を展開し、一般事務に加え、工場での軽作業など適性を考慮して配属先を広げています。また、障がい者用のトイレやエレベーターの設置、カードリーダーを置く位置の高さに配慮するなど、行政の障がい者用基準を採用した働きやすい環境整備にも努めています。
2023年度の雇用率は2.56%と法定雇用率を満たしていますが、障がいのある方も働きやすい環境整備を引き続き行い、積極的な雇用を推進していきます。
住友ゴムグループでは1990年度より定年再雇用制度を開始しています。また2013年度からは目標管理制度の運用を開始しました。2022年度からはジョブ型の要素を取り入れ、成果責任の明確化、業務とマッチした処遇がなされるような制度となっています。
D&Iプロジェクトのひとつとして外国籍社員活躍推進プロジェクトを立ち上げ、外国籍社員に向けて2019年に実施したアンケート結果を踏まえ、日本語教育の開始や、英文での社内資料の展開等取り組みを進めています。また、2023年より、外国籍社員有志によるERG(Employee Resource Group)がスタート。外国籍社員なではの悩みを共有し、会社への提言につなげる場にもなっています。
今後も定期的なアンケート実施により課題への対応を進め、すべての社員にとってより働きやすい環境づくりを目指します。
近年の社会環境の変化に伴い、当社でも多様な働き方に対応した制度、仕組みを導入、拡充しています。仕事にメリハリをつけ、プライベートとの両立を支援するため、時間外労働の削減や有給休暇付与日数増加・取得を推進するとともに、育児・介護などとの両立にも配慮しています。出産した女性従業員の育児休業取得率は100%であり、また2023年は85%の男性従業員が育児休業を取得しました(会社独自休暇制度含む:昨年比15%増)。2024年には育児休業取得の後押を目的とし、育児公休制度のトライアルを開始。本制度化を目指します。
次世代育成支援対策推進法に基づき2009年度にタイヤ業界初の「くるみん」認定企業となって以降は、継続して子育てサポートに取り組んでいます。2020年には女性の活躍推進に関して取り組みの実施状況が優良な事業主に対して厚生労働大臣から与えられる「えるぼし」3段階目の認定を受け、2023年3月には兵庫県・神戸市共同にて設立された、女性活躍や多様な働き方に積極的に取り組む企業等を認定する「ひょうご・こうべ女性活躍推進企業認定(こうべミモザ)」の「ミモザ企業」認定を受けました。また、介護に関する相談窓口を社外に設置し、毎年定期的にテーマを変えて介護セミナーを実施するなど介護面でのサポートも拡充しています。
育児や介護など、ライフイベントと仕事の両立に悩む社員への一助となるために、両立支援マニュアルを作成しています。育児編については、本人、配偶者などの当事者に向けてのマニュアルに加え、上司に向けてのマニュアルも作成しています。また、嘱託・契約社員の方も安心して各種制度を利用できるよう、嘱託・契約社員向け両立支援マニュアルを作成しています。妊娠出産から育休、復帰後、各フェーズで利用できる制度や、評価や目標管理など職場での対応、ちょっとしたコラムや先輩パパママの経験談など、当事者、上司それぞれへの応援と啓発を発信しています。
多様な働き方の一つとして定着してきた在宅勤務トライアルを2022年に本制度化。柔軟な働き方を可能としています。
当社では、子が2歳になるまで育児休業の取得が可能です。また、分割での取得も認めています。男性育休推進のための取り組みとして、育児と仕事との両立支援マニュアルを発行するとともに、子どもが生まれた従業員とその上長に対して育休取得を推奨するメールを人事より発信しています。
育児休業取得のきっかけとしてもらうため、連続暦日5日の育児のための有給公休制度を設けています。子が1歳になるまで男女ともに取得可能です。
短時間勤務の規定を見直し、フルタイム勤務と短時間勤務を柔軟に行き来できる制度へと変更。ライフステージに合わせて、より柔軟な働き方が選択できるようになりました。
当社では、積み立てた有休休暇を時間単位で育児や介護、通院等に利用することが可能です。
当社では子の看護休暇を有給としており、法改正に伴い、これを時間単位で取得できるようにしました。
配偶者の海外転勤への帯同期間、1回につき1年休職することができる制度です。合理的な事由があると認められた場合、最大4回までの延長、最大5年間休職することができます。
多様な人材が輝ける風土を醸成し、業務効率化推進により時間を生み出しイノベーションを創出することで、全従業員の幸せと企業価値向上へとつなげていきます。2019年から継続して個人の個性を尊重し、自由な発想や自律的な思考が生まれやすい職場風土づくりなどの一環で、オフィスでの服装自由化を実施しているほか、一部フリーアドレスを実施し、コミュニケーション活性化に取り組んでいます。
当社は、個人の個性を尊重し、自由な発想や自律的な思考が生まれやすい職場風土づくりなどを目的に2020年1月からオフィスでの服装自由化を実施しました。
現在は多くの従業員がTPO(時と場所、場合)を踏まえつつ、カジュアルな服装・フォーマルな服装を自ら自由に選択しており、モチベーションアップや生産性向上に繋がっているとの声も挙がっています。
当社では、一部の事業所において、従業員間のコミュニケーション活性化や省スペース化を目的としたフリーアドレスの採用や、集中して業務に取り組むことができる専用ブースの設置等、オフィス環境づくりを行っています。
今後も多様な従業員がより創造的に、柔軟に働くことのできるオフィス環境整備を順次進めてまいります。
2022年3月、D&Iに関する社内情報発信ページを新設し、社内でのD&Iに関する情報発信や理解促進を積極的に行っています。またダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの情報発信強化や人事制度の活用を進めるため、情報検索手段としてチャットボットを社内イントラネットに2019年に設置し、継続して情報発信の改善を進めています。
本チャットボットの利活用を進めるため、情報発信キャラクター「チャボ」を作成し、社員がチャットボットを利用するほど成長するため、社員が愛着をもって継続して利用・育成していただけるようにしています。
また2020年度は、チャボによるDE&I講座の動画を継続的に配信し、「社内報アワード2021※」のIC(インターナルコミュニケーション)キャラクターグランプリで最優秀賞を受賞しました。DE&Iや人事部情報発信時のキャラクターとして社内で認知が進み、合わせてDE&Iや人事制度関連情報の周知に繋がっています。
※ ウィズワークス株式会社主催