住友ゴムグループは、従業員の安全と健康を守り、快適な作業環境を維持するため、労働組合と協力して一体となった安全衛生活動を推進し「安全衛生はすべてに優先する」をスローガンに災害ゼロを目指しています。
中央安全衛生委員会において、当社グループの安全衛生活動方針を定め、「安全な人づくりの3原則(①ルールを守る、②安全意識を高める、③管理監督者が責任を果たす)」と「設備安全の3原則(①重大災害を発生させる危険箇所に人がいれば設備は動かない、②止めようとしたときに設備がすぐに止まる、③作業者にこれから危険箇所に入ることを自覚させる装置を設置する。できない場合は、設備、作業のリスクを自覚させる掲示をする)」を指針としています。この指針に基づき、風通しが良く面倒見の良い職場作りを進めることが、安全な人作りの基本と考え、安全衛生第一の精神を末端まで定着させていきます。この方針は、従業員、協力会社で働く、そして、当社関連施設へご訪問されるステークホルダーを対象としています。
住友ゴムグループでは、労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格OHSAS18001の認証取得を行ってきました。2019年以降、順次ISO45001へ認証切り替えを行い、南アフリカ工場の2021年9月移行で完了となりました。27工場の44%にあたる12工場が認証を取得しています。
年月 | 取得工場 |
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2021年9月 | 南アフリカ工場 |
2020年11月 | インドネシア工場 |
2020年10月 | タイ・天然ゴム加工工場 |
2020年7月 | 名古屋工場 |
2020年6月 | 白河工場 |
2020年2月 | 中国・湖南工場 |
2019年11月 | 宮崎工場 |
2019年11月 | 泉大津工場 |
2018年12月 | 中国・常熟工場 |
2016年11月 | トルコ工場 |
2014年9月 | ブラジル工場 |
2009年1月 | タイ工場 |
住友ゴムグループは危険ゼロ・災害ゼロを目指して、安全衛生に関するリスクアセスメントを実施することで危険を排除し本質的に安全性を高める先取り型安全活動を推進しています。また、現地現物を基本としながらWebも活用して、安全監査や安全観察を積極的に実施しています。既存設備の安全衛生に関するリスクアセスメントの実施にあたっては、当社グループが定める労働安全衛生マニュアルの範囲内に適用しています。ただし、国によっては法令や適用されるマネジメント規格を優先しています。新規事業を含む機械の新設(設計・製造)、増設、改造、移設または移管を行なう際にも、労働災害の発生を防ぐため、全社安全標準にてリスクアセスメントを実施することが定められており、各職場に周知をされています。具体例として、動力運搬車の作業において、労働安全衛生マニュアルに基づき、設備・作業行動等の危険性または有害性等を調査し、安全衛生対策の見落とし防止、設備・作業行動等に有するリスクを評価し、そのリスクの大きさに応じた安全衛生対策の実施を図っています。2023年度の安全成績は、前年とほぼ横ばいの状態で推移しています。2024年度の目標は、①重大災害ゼロ ②災害数を20件(2022年中計目標)と設定しました。重点課題としては、
・全員の安全知識を高め、ありたい姿を共有し合える職場を構築する。
・安全タスクフォース活動を推進し、安全意識を高め安全文化を醸成する。
・新安全先行指標(KPI)の推進で、一人ひとりが安全の理解を深め、全員で安全を守れる環境を作る。
を進め、災害ゼロにチャレンジしていきます。
※災害度数率:延べ実労働時間100万時間当たりの労働災害による死傷者数。災害度数率=労働災害による死傷者数/延べ実労働時間×1,000,000
住友ゴムグループは「労働災害ゼロ」を目指しています。そのためには「安全な人づくり」が最も重要な要素と考え、リスクアセスメント教育に力を入れて進めており、リスクアセスメント指導者育成に力を入れています。2023年度は119名の指導者育成を行い完了しました。2024年も引き続き指導者育成を進めていきます。
2023年度はBTC活動を推進し、安全の声が上がる職場作り、安全先行指標(KPI)の推進で各事業所の弱みを把握し、改善活動を進め危険ゼロの職場づくりを継続して進めました。2024年度は、全員の安全意識・知識を高める活動を柱として、全員で安全を守れる職場作りを進め、災害ゼロの職場を目指します。
また、階層別教育や危険体感教育を行い、技能と知識の習熟度を確認しながら定期的に安全衛生に対する教育活動を進めています。
重要なリスクである「安全」「防災」「健康」 の状況については、これらのリスクを取り扱うリスク管理委員会(2回/年)の活動状況の報告や各拠点の運営状況報告等を通じて、取締役会において適宜監督を行っています。また、代表取締役社長をはじめとする社内取締役や全執行役員および全製造拠点長参加のもと、全社員に当社の「安全」「防災」「健康」に関する情報を共有するための活動として半期に一度「全社安全衛生・防災大会」を開催しています。安全衛生・健康経営に対しての目標や活動の進捗状況、を全体で共有することで「安全」「防災」「健康」に関する当社のリスクレベルの軽減を図っています。
住友ゴムグループでは2007年度から各事業所の火災リスク抽出と改善を目的に防災監査を行っています。また、事業所毎に防災委員会を組織して防災活動を展開し、日々の火災リスクの低減に努めています。
2024年はコロナの影響で長らく中断していた現地・現物を確認しての防災監査を約5年ぶりに再開しました。
防災監査では、各事業所が組織として防災活動ができる体制が整っているかの確認を行うほか、従業員一人ひとりの防災意識についても現場で現物を見ながら質問し、火災リスクの理解度や防災活動推進の仕組みを確認することで活動の中で欠けている項目が無いかを丁寧に確認しました。
今後もこのような活動を通じて防火リスクを低減させるとともに、各事業所の良い活動を横展開することで、防災KPIスコアを向上させ、「小火・火災発生ゼロ」にチャレンジしていきます。
従業員の安全衛生を守るため「安全に安心して作業が行えるように作業環境づくり」を続けています。2023年度も、暑熱、騒音、粉塵や有機溶剤など作業環境改善も強化し、職場の作業環境の向上に努めてまいりました。2024年度も、暑熱対策に軸足を置いた活動を進め職場の作業環境の向上に努めます。
住友ゴム工業では、現在、タイヤをはじめアスベストを含有する製品は製造していません。また、建物の吹き付け材などの調査および鉱物系原材料に入っている石綿の分析は2006年12月末に完了しており、いずれも問題はありませんでした。しかしながら、肺がんによって13名、中皮腫によって54名の方が死亡され(2024年7月時点)、いずれも労災認定(*1件申請中)を受けています。
当社では2007年4月1日に石綿災害特別補償制度を設立し、アスベストに起因する労災が認められた場合は、当社独自の特別補償を行っています。あわせて、2007年3月から退職者を対象に石綿健康診断受診の呼びかけを行っており、41名の方が石綿健康管理手帳の申請を行いました。
今後も従業員から相談があれば積極的に対応していきます。