タイヤが地球環境に貢献し得る方向性のひとつとして挙げられる「省資源」。当社では、スペアタイヤが不要となるランフラットタイヤなどスペアレス技術の開発を省資源に向けた取り組みとして積極的に推進しています。
ランフラットタイヤとは走行中に完全なパンク状態、つまり、空気圧がゼロの状態になっても時速80kmで距離80kmの走行が可能なタイヤで、この技術は走行時の安全性向上に加え、スペアタイヤが不要となるため、省資源・省エネルギーにも貢献します。当社ではこの「省資源」に向けた取り組みとしてランフラットタイヤの開発を推進しています。
ランフラットタイヤはダンロップが安全の向上を目的に1970年に世界で初めて実用化。その後ポルシェ959をはじめとする多くのハイパフォーマンスカーに装着されたデンロック方式のランフラットタイヤを開発しました。以降1995年には、サイドウォール補強方式の第1世代ランフラットタイヤ、ダンロップセルフサポートタイヤ(DSST)を開発しました。2000年には、第2世代としてCTTランフラットタイヤを開発、第3世代を経て、2009年9月にランフラットタイヤの弱点であった乗り心地の堅さをノーマルタイヤと同等以上とした第4世代のランフラットタイヤを発表しました。そして2014年、当社独自の高精度メタルコア製造システム「NEO-T01」による次世代高性能タイヤの第一弾として、安全性と快適性、軽量化を高次元でバランスさせたプレミアムランフラットタイヤをDUNLOP・FALKENブランドで発売しました。
空気充填を行う必要のないエアレスタイヤ「GYROBLADE」の実用化に向けて開発を進めています。空気を使わないことで、ドライバーはパンクの心配や内圧管理の手間から解放され、安全・安心なドライブを実現できます。さらに「GYROBLADE」はスポーク部の成形自由度が高くさまざまなカラーデザインが可能なため、車両のファッション性を高めることもできます。
「CORESEAL」は、タイヤトレッド部の裏側にシーラント剤(粘着性・粘度のある特殊材料)を塗布する技術です。トレッド部の裏側まで貫通する損傷が発生した場合※、塗布されたシーラント剤が穴を塞いで空気漏れを防ぎます。パンク時でも空気圧を維持したまま走行可能なため、安全性の向上と、スペアタイヤ不要による省資源・軽量化・車両設計の自由度向上を同時に実現できます。
※直径5mmまでの釘やねじ等の異物について、タイヤに刺さっている状態・タイヤから抜けた状態で空気漏れを防止。
タイヤパンク応急修理キットは、タイヤに釘やネジが刺さった軽度のパンクを応急修理して最寄りの車両販売店や整備工場までの移動を可能にします。
近年、タイヤパンク応急修理キットが搭載される車両が増えています。その背景として、ほとんどが使用されずに廃棄されるスペアタイヤと違い、スペアタイヤを積む必要がなくコンパクトかつ軽量なこと、トランクルームを広く使えることや燃費向上にも寄与することから、2000年頃からスペアタイヤに代わる応急装備品として広く普及しています。
そのような中、住友ゴムはタイヤパンク応急修理キットとして「IMS」※を開発し、1996年に新車に初採用されました。「IMS」は、環境に優しい天然ゴムラテックスからなる修理剤とコンプレッサーで構成されており、修理剤を注入後、コンプレッサーで空気を充填し、車を走らせることによって修理剤が圧縮と熱によって固まり、パンク穴をふさぎます。「IMS」には、基本的な修理のメカニズムは同じですが、手動注入型と自動注入型の二種類のシステムがあります。
※住友ゴムの登録商標
1.手動注入型
バルブコアを手動で外し、修理剤をタイヤ内に注入した後、コンプレッサーで空気充填します。
2.自動注入型
バルブコアを外す必要は無く、コンプレッサーに修理剤ボトルを接続し、タイヤ内へ修理剤注入と空気充填を自動で行います。
トレッド面(タイヤが路面に接する部分)のφ4mm以下の釘穴は応急修理可能です。
サイドウォール面の損傷やホイールが破損している様なパンクは修理出来ません。
※実際の使用方法に関しては、車両搭載のオーナーズマニュアルを確認の上、使用して下さい
※修理剤には使用期限があるため、ボトルラベルを確認して下さい
※使用後の修理剤の処理や修理剤の有効期限が切れている場合は産業廃棄物として処理する必要があるため、お近くのディーラー/販売店へお持ち下さい