住友ゴムグループの事業活動に重大な影響を及ぼす恐れのある品質、法律、環境、与信、事故、災害等の経営リスクについては、当社グループ全体のリスク管理について定めるリスク管理規定に基づき、それぞれの担当部署および各子会社において事前にリスク分析、対応策を検討し、当社の経営会議等で審議しています。
また、リスク分析・対応策の検討に当たっては、必要に応じて顧問弁護士等の専門家に助言・指導を求めます。
当社グループ横断的なリスクについては、当社管理部門の各部が、それぞれの所管業務に応じ関連部署および各子会社と連携しながら、グループ全社としての対応を行います。リスク管理委員会は、住友ゴムグループ全体のリスク管理活動を統括し、リスク管理体制が有効に機能しているか適宜調査・確認します。
当社グループにおいて重大なリスクが顕在化し、または顕在化が予想される場合には、危機管理規定に基づき、当社社長が危機管理本部を設置します。
このリスク分析フローの中では、中期経営計画の遂行及び目的達成を阻害しうる重大リスクをリスク管理委員会において抽出・評価し、対応計画策定と実行状況のフォローにより全社のリスクマネジメントに取り組んでいます。
住友ゴムの各部門とグループ会社は、リスクと対応状況をリスク管理委員会(委員長:社長、委員長が指名する執行役員が委員を構成)に報告します。リスク管理委員会はそれらをモニタリングするとともに、グループ全体の重大リスクを特定・評価・対応計画を策定、その実行及びモニタリングを実施します。これらの取り組みは取締役会に報告され、取締役会はこれらをモニタリングする事でリスク管理の実効性を確認します。
事業を取り巻くリスクや環境の変化に応じて、定期的にリスクの見直しを行っています。
リスクの評価は影響度と発生頻度をそれぞれ5段階で評価しており、影響度に関しては「被害金額」「人的損失」「環境影響」「社会的評価毀損」「研究開発・生産販売活動への影響」の5つの視点から定量的に評価しています。
住友ゴムグループが特定する、ESGリスクを含む重要リスクは以下の通りです。
当社リスク管理規定に基づきリスク管理委員会を2回開催し、当社グループ横断的なリスクの管理活動を統括するとともに、当社グループ全体のリスク管理体制が有効に機能していることを確認しました。
海外での地政学的なリスクの高まりを踏まえて、有事が発生した際の具体的な想定シナリオを作成し、過去の対応事例に基づいて従業員・家族の安全確保や生活支援、物流、原材料調達などの項目で対応事項を設定し、人命尊重とグループ全体の事業運営や業績への影響を最小限にとどめるべく、対策実施などを各事業部・機能部門と連携して進めました。
このほか、新型コロナウイルス感染症については、感染症法上の5類への変更や諸外国の対応が平時の対応に戻ったことに伴い、感染症対策の段階的な緩和を各事業部・機能部門と連携して進めました。
住友ゴムグループは、阪神淡路大震災・東日本大震災による二度の被災経験を活かし、BCPを整備しています。
本社機能および国内・海外の製造拠点、国内子会社において、人命尊重と顧客への早期の製品納入再開を目指したBCPの策定を完了し、定期的に訓練を実施し、実効性の向上を図っています。
また、台風や豪雨など、年々脅威を増す自然災害に対しても、災害対応を通じて得た教訓をBCPに盛り込み、内容を拡充しています。具体的には、大地震により公共交通機関が麻痺した場合や、豪雨や河川の氾濫で避難指示が出される場合の出退社基準を2019年度に設けました。また、その内容を記載した「災害発生時の基本行動」の携帯用冊子を改訂して改めて従業員へ配布し、内容の周知を図りました。
過去の対応事例に基づき戦争時のBCPの整備を進め、有事発生時の駐在員・現地従業員の安全確保、営業、物流、原材料調達など必要な対応の検討を実施しました。
今後も、従業員の安全確保および事業継続の観点から、BCPの内容を継続的に拡充できる体制を整備していきます。