ラザーコートは、ウレタン結合材で混練したチップ状のゴムを、独自開発の専用施工機を用いモルタル又はコンクリート上に敷均し、空隙のあるゴムチップ弾力層を形成します。
さらに、特殊なシール工法により、この弾力層に占める空隙の割合をほぼ30%としたのち、調色したウレタンを積層塗装してスムーズな表面に仕上げる、空隙式ゴムチップ・ウレタン複合の多層弾性塗り床です。
「弾力層に空隙がある」ので一粒一粒のゴムチップが素直に変形し、運動動作時の衝撃をやわらかく吸収します。その為、足やひざの関節の負担が軽減されるほか、転倒の際にも大きな怪我が少なくなるなど高い安全性をそなえています。
「着地感がソフト」なのに「はねかえりが強い」という、体育館に必要な相反する特性をそなえているため、従来の塗り床や木床にもない新しい弾みと素晴らしいプレー性能(運動感)を体感できます。
独自開発の専用施工機の導入により、左官ゴテに依る従来の工法では実現不可能であった高い精度の塗装厚みと、コテムラのない平滑なサーフェスが確保され、塗り床の美しさが再認識されています。しかも、性能のバラツキも施工の機械化により極めて小さくなっています。
「ゴムチップと層内の空気」がプレー中の激しい足音を吸収・遮断するため、階下へ伝わる衝撃音が5~20dB低くなります。そのため階上や屋上のスポーツ施設には、木床に勝る最適の床材といえます。
強靭で伸縮性に富んでいるため、下地構造に発生する通常のクラックは、弾力層で吸収され表面への影響がありません。また、定期的な経年調査でも、クラックの影響は全く確認されておりません。床暖房への適性も抜群です。
コンクリート下地に直接積層塗装する直床工法であるため、床下の構造材料などが不要となり20~40%のコスト節減が可能です。特に階上床の場合は、構造上もコスト面でも非常に有利な工法です。
「弾力層の空気の効果」で、断熱保温性はブナやナラなど木床なみです。児童・生徒が床に腰をおろして先生の話を聴く事の多い学校体育館の現場からは、冬季に底冷えしない、窓ガラスや内壁が結露する時でも、床面には結露が起こらなかったとの報告が各地からよせられています。
使用後モップで拭くだけで済みます。また耐磨耗性にすぐれているため、特別の手入れはまず必要ありません。
12色
※色見本はこちらをご参照ください https://gripcoat.jp/color/
文部省教育施設部が(財)日本体育施設協会に委嘱して実施した「屋内運動場の床の安全性の調査研究」によれば-
基本物理量
DR:床の振動の最大振幅(mm)
TR:床の振動の最大振幅時のみかけの半周期(sec)
UF:床の変形が最大に達するまでの床の変形エネルギー
(kg-cm)
この図から床は使用感上やわらかすぎてもかたすぎても不都合であること、使用感上の物理量の最適性は20程度であることがわかる。
この図から使用感の場合と同様に床がやわらかすぎてもかたすぎても傷害事故が多くなること、傷害事故が最も少ない床の物理量の値は30程度であることがわかる。
キャスター付台車、移動式バスケット・ゴールなどを使用する場合、集中荷重による「へこみ」が問題となります。東京工業大学建築学科小野英哲博士考案の載荷装置を使って、ラザーコートを評価した結果、短時間でほぼ完全に回復しており、「へこみ」が残ることもありません。
ゴムチップ弾力層の空隙が性能の秘訣。
最近の傾向として、スペースの有効利用のため、階上を体育館フロアまたは講堂、階下を集会室、教室、図書室などに利用するケースが増えてきています。そこでしばしば問題になるのが、床衝撃音です。
JIS A 1418床衝撃音レベルの測定方法で規定されている”タッピングマシン法”(軽量衝撃源)とタイヤ落下法(重量衝撃源)で測定、JIS A 1419遮音等級で評価しますと、ラザーコートを施工した場合、遮音等級で1~4ランク(5~20dB)床衝撃音レベルを下げることができます。
ウレタン樹脂のトップコート及びベースコートは、強靭で、耐磨耗性にすぐれています。JIS K-7204のテーバー磨耗試験機(磨耗輪CS-17、荷重1kgw、回転1,000cps)による結果で抜群の性能を示しております。木床フローリングに比べて、耐磨耗性は約20倍です。
JIS A 1412熱伝導測定方法(平板比較法)で木床フローリングとほぼ同じ熱伝導率を示しています。
競技によっては、ある程度滑りが要求されるケースもありますが、一般的にいって、体育館のフロアの場合、滑りにくいことが要求されます。JIS A 1407床の滑り試験方法(振子式)で測定の結果、ラザーコートはスライド・ストップ仕上げにより理想的な防滑性を示しています。
下地(モルタル、コンクリート)にクラックが生じても、ラザーコートの弾力性により、ベースコートまで達しません。右の写真は、繰返し伸縮試験(繰返し伸縮1cps、クラック幅2mm)で10³回後の結果です。クラックはゴムチップ・ウレタン弾力層で確実に止まっています。
試験項目 | 物性値 | 試験方法 | |||
---|---|---|---|---|---|
バスケットボールの反発高さ(m) | 1.30 | 協会規格第10条により公認バスケットボールを落下 | |||
耐衝撃性 | 表面無傷 | 890grの鋼球を1.5m高さより落下 | |||
ベース コート |
吸水性(%) | 0.2 | 20℃水中に3週間浸漬し重量変化を測定 | ||
耐オゾン性 | 異常なし | サンシャインウエザオメーター 250時間照射 | |||
|
7.84 8.0 |
JIS K-6251 | |||
伸び(%) | 250 | ||||
100%モジュラス(kg/cm²) | 30.5 | ||||
|
30.5 31.1 |
JIS K-6252 |
(注)データはすべてラザーコートASタイプ18mmのものです。
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