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天然ゴム業界の持続可能性向上を目指す「PROJECT TREE」に参加

 住友ゴムグループの天然ゴム調達会社であるSUMITOMO RUBBER SINGAPORE PTE. LTD.は、伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太)が、進める天然ゴム業界の持続可能性向上を目指す取り組み「PROJECT TREE」※1に3月から参加しました。本プロジェクトへの参加により、天然ゴムのサプライチェーンの透明性および持続可能性向上への取り組みを加速します。




 天然ゴムは、世界消費量の約70%がタイヤに使用される、現代社会に欠かせない天然資源である一方、タイやインドネシアなどの東南アジアを中心とする世界生産量の約85%を小規模農家に依存しています。従来の小規模農家自身による農園管理には限界があり、違法伐採、人権問題、未熟な農業技術などの懸念があります。
 当社グループは、これまでも持続可能な社会の実現に貢献する企業を目指し、さまざまな取り組みを行ってまいりました。中でも主力商品であるタイヤの主原料となる天然ゴムを持続可能な資源とすることは非常に重要な課題と認識しており、天然ゴムのサプライチェーンをマッピングすることが可能なアプリケーションソフトを活用したリスク評価・低減活動※2を実施するなど取り組みを推進しています。

 このたび「PROJECT TREE」に参加することで、サプライチェーンの透明性および持続可能性向上の取り組みをより一層推進します。本プロジェクトを通じて、小規模農家の持続可能性に対するリスクの把握・改善活動や収量増加のためのキャパシティビルディングなど、小規模農家の支援活動を推進します。また、ブロックチェーン技術を活用し、トレーサビリティに優れた「TREE+(プラス)ゴム」の調達を通じて、欧州の森林破壊防止規則※3に対応していきます。

 
農家がアプリケーションを使用し
トレーサビリティに関するデータを記録する
住友ゴムグループは欧州森林破壊防止規則の要求である
農園の地理情報を把握できる
 
 
 当社は 2023 年 3 月に、タイヤ事業における独自のサーキュラーエコノミー構想「TOWANOWA(トワノワ)」※4を発表しました。「TOWANOWA」はバリューチェーン上の 5つのプロセスからなる「サステナブルリング」と各プロセスから収集したビッグデータを連携させる「データリング」で構成されており、二つのリング間でデータを共有・活用することで新たな価値提供を目指します。
 
 「TOWANOWA」の「材料開発・調達」プロセスにおいて、天然ゴムの持続可能な原材料調達を目指しています。引き続き、サプライチェーンをはじめとしたステークホルダーの皆さまと連携した取り組みを積極的に推進し、天然ゴムの持続可能な社会の実現を目指してまいります。



■「SUMITOMO RUBBER SINGAPORE PTE. LTD.」の概要 
商号 :SUMITOMO RUBBER SINGAPORE PTE. LTD.
所在地 :シンガポール共和国 ハーバーフロントセンター
資本金 :18百万米ドル
出資比率  :住友ゴム工業株式会社100%
代表者   :山﨑 隆一郎
会社設立 :2020年1月
営業開始 :2020年4月
事業内容 :住友ゴムグループにおける天然ゴム調達関係全般
従業員数 :14名(2024年4月時点)
 
※1 伊藤忠商事株式会社が進めるトレーサビリティ及び持続可能性向上を目指すプロジェクト。専用のスマートフォンアプリで生産日時や位置情報などが記録され、原産地情報を追跡できる仕組み。https://project-tree-natural-rubber.com/jp/
※2 
天然ゴムの持続可能な調達に向け天然ゴムに特化したリスク評価ツールを導入(ニュースリリース発行:2023年10月12日)
※3 2024年12月30日以降にEU域内の市場に持ちこまれる天然ゴム・タイヤ製品は森林破壊に加担していないことの保証が義務付けられる
※4 
タイヤ事業におけるサーキュラーエコノミー構想「TOWANOWA(トワノワ)」を策定 (2023年3月8日リリース)